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コラム・レポート

「退職処分」から考える、従業員の不適切なSNS投稿のリスク

2021年9月27日

「退職処分」から考える、従業員の不適切なSNS投稿のリスク

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、賛否両論がありながらも開催にこぎつけた東京オリンピック・東京パラリンピック。約1年の延期に加えて無観客という異例ずくめの状況だったにも関わらず、各国の選手たちはひたむきに競技に挑みました。

とりわけ印象的だったのは、日本にとって「初めて」の記録が続出したことでしょう。

例えば、卓球競技の新種目の混合ダブルスは日本卓球界に初めての金メダルをもたらし、陸上女子1500メートルでは日本選手が初めての決勝進出と8位入賞という快挙を達成しました。

従来の社会通念では裁定し切れないSNSの「闇」

これらの実績が、日本のスポーツ界にとって明るい未来を予感させる朗報となったことは間違いないと言えます。
しかし、世の中を見渡してみれば、「初めて」の出来事が微笑ましいことばかりとは限らないのも事実です。

特に、有象無象の情報や感情も渦巻くSNSの混沌とした世界では、「初めて」の出来事がネガティブな意味を持つことも少なくありません。
ボーダーレスなコミュニケーションを楽しめるソーシャルネットワークが実現した一方で、バイトテロや誹謗中傷など、いわゆる炎上という形で問題が顕在化する「闇」も生み出されてきたからです。

こうした中、個人も企業も、従来の社会通念では裁定し切れない問題を引き起こすSNSとの向き合い方を見つめ直すべき時期に突入していると言えるでしょう。

これから紹介するのは、それを確信させる象徴的な事例です。

雑誌編集者が個人アカウントで「買い占め・転売行為」を容認し、炎上へ

問題のSNS投稿があったのは、東京五輪が開幕したその日、2021年7月23日のことでした。

投稿主は、プラモデルやフィギュアなどの専門誌の社員である編集者。書き込まれたのは、商品の「買い占め・転売行為」を容認する発言でした。
特定の商品を買い占めて高額で転売する行為は、たびたび社会問題化しており、コロナ禍の中ではマスクや消毒用アルコール製品の在庫がひっ迫する一因にもなりました。

編集者の投稿はプラモデルなどの買い占めや転売を擁護するものでしたが、玩具業界はまさにこうした心ない行為の撲滅に取り組んでいる最中です。
純粋なファンの思いを踏みにじるような投稿内容は、たちまち激しい非難を浴びて大炎上しました。

さて、日本で「初めて」となる出来事が動き出したのは、ここからです。

この編集者が所属する専門誌の発行会社Aは、炎上確認後の翌7月24日、公式Twitterで謝罪文を発表します。

7月25日に公式ホームページにも掲載された謝罪文には「当社は商品のいかなる転売行為や買い占め行為も容認しておりません」という強い姿勢とともに、「当該社員に対しましては、社内規定に従って厳正に処分いたします」と明記されていました。

その言葉通り、7月26日に早くも下された処分内容は、世の中を驚かせるものでした。

問題の投稿を行った編集者の管理監督者である常務取締役編集制作局長、編集長、副編集長は、いずれもけん責の上で降格となり、編集者本人には「退職処分」が下されたのです。

炎上の沈静化が意味するものとは?

しかし、世間が驚いた理由は、その処分の重さだけではありません。

今回の不適切発言は業務の一環としてではなく、編集者の個人アカウントから発信されたプライベートな投稿でした。
従業員の私用SNSの発言が理由で「退職処分」が科されたのは前代未聞と言えることから、ネット上でも論争が巻き起こったのです。

こうした論争には弁護士などの専門家も加わり、「懲戒権の濫用では」「不当労働行為に当たる可能性がある」との指摘も上がりました。
しかし、結論から言えば、この処分を機に不適切発言に対する炎上は沈静化し、処分の重さをめぐる論争も立ち消えています。

A社が発表した「退職処分」という言葉には「普通解雇」「懲戒解雇」「諭旨解雇(退職)」「退職勧奨」の意味がすべて含まれているため、編集者がどのように処遇されたのかは推測の域を出ません。
社内処分の是非に関する論争が発展しなかった要因には、こうした背景もあったでしょう。

しかし、そのような処分によって炎上が沈静化したということは、不適切なSNS投稿で企業の信用を毀損した場合は、重い処分を科されても仕方がないという考え方がスタンダードになったと捉えることもできます。
例え、それが個人としての発言であったとしても、です。

複数の企業が追随、懲戒処分の新たな基準となる可能性

事実、一連の流れに追随する企業も複数現れています。

7月29日には出版大手のB社が、SNSの個人アカウントでプロの女子テニス選手に対する差別的な投稿を行ったとして、業務委託していた編集者との契約を解除しました。

8月4日には、トレーディングカードゲームを開発するC社もSNS上で個人への誹謗中傷など不適切な発言をしたとして、スタッフを解職処分にしたと発表。さらに、代表取締役2人と取締役1人も役員を引責辞任しました。

これらの状況から、今後は私用SNSでの不適切投稿で従業員が炎上を引き起こした場合、厳格な処分に踏み切らない企業には世の中の批判が集まる可能性があるということです。つまり、A社の社内処分が企業における人事規程の新たな基準になるかもしれません。

ただし、不用意に重い処分を下せば「不当解雇」として争われる恐れもあります。
そのようなトラブルが起こってしまった場合、企業側は別の意味でダメージを被りかねないため、社内規程や炎上発生時の対応方針などを事前に定めておく必要があることは言うまでもないでしょう。

「SNS利用研修」で従業員の個人アカウントからのトラブル防止を

もちろん、SNS上での不適切発言は取り返しがつかない懲戒処分の対象になるということを周知し、無用のトラブルを起こさないという意識を持たせるための取り組みも必須と言えます。

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