2022.12.01
炎上事案分析データ2022年10月版(調査対象期間:2022年10月1日~2022年10月31日)
2023年9月30日
シエンプレ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 寿郎)は、一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所(住所:東京都渋谷区、所長:佐々木 寿郎、以下「デジクラ総研」)と共同で、2023年8月1日~8月31日に発生したネット炎上についての件数とその内訳の分析結果を公開しました。
目次
2023年1月31日、デジクラ総研はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2023」(調査対象期間:2022年1月1日~12月31日)を公開しました。継続調査の結果報告として、今回2023年8月に発生した炎上事案を、新たに分析しています。
投稿内容に「炎上」というキーワードを含む1,851件の投稿から188件の炎上事案を抽出(※)。炎上の原因となった問題行動の主体、問題行動の内容、炎上を起こした企業の業種などの切り口から傾向を分析しました。
※デジクラ総研では「炎上」の定義を、「企業や団体、個人が発言した内容、行った行為がSNSやWebメディア上に掲載・拡散され、それに言及した批判や非難の投稿が100件を超えた場合」としています。(投稿数についてはオリジナル投稿のみを計上。コメントのない再投稿は含みません)
「デジタル・クライシス白書2023」をダウンロード調査期間:2023年8月1日~8月31日
調査対象:X(旧Twitter)、Facebook、Yahoo!ニュース、Amebaブログ、FC2ブログ、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねるなど、SNS媒体と炎上拡大の要因になりやすいとデジクラ総研が判断した媒体への投稿
調査方法:デジクラ総研ソーシャルリスニングツールを使用
分析対象投稿数:1,851件
うち炎上事案数:188件
・8月の炎上事案は188件でした。前月に比べ、68件増加しています。
・炎上事案の原因となった問題行動の主体別の内訳では、「著名人」60件(31.9%)、「法人等」51件(27.1%)、「一般人」77件(41.0%)という結果でした。
・前月7月と比較し、「著名人」は23件、「一般人」は45件増加しています。「法人等」は前月と同一の件数(51件)でした。
・割合については、前月と比較すると「著名人」の割合(30.8%→31.9%)はほぼ横ばい、「一般人」の割合(26.7%→41.0%)が増加し、「法人等」の割合(42.5%→27.1%)が減少しています。
・なお2022年全体の炎上事案の主体の割合は、「著名人」が35.2%、「法人等」が35.4%、「一般人」が29.4%とそれぞれの割合が約3割ほどでほぼ均等でした。それと比較すると、23年8月は「一般人」の割合が高い結果でした。
・「一般人」が主体となった事例については、一般ユーザーがSNS上で行った投稿の内容に対して批判が集まった事例、音楽イベント中における観客の不適切行為が話題になった事例などがありました。
・前年同月比では、炎上事案発生件数は80件増加しています。「著名人」が22件、「法人等」が15件、「一般人」が43件増加しました。
・炎上の原因となった問題行動188件のうち、171件(91.0%)が「不適切と判断される可能性のある発言・行為」に該当し、「反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)。法律に抵触する可能性のある行為」は17件(9.0%)と少数でした。
・前月と比較すると「反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)。法律に抵触する可能性のある行為」の割合(14.2%→9.0%)が減少しています。
・問題行動の主体のうち、「法人等」に該当する炎上51件を業界ごとに分類しました。炎上事案が多かったのは「娯楽・レジャー」業界で、21件(41.2%)という結果でした。
・問題行動の主体が「法人等」の場合について、上場企業か否か、また、それぞれの従業員数について分析しました。上場区分に関して「上場企業」5社(13.2%)、「非上場企業」33社(86.8%)という結果でした。
今年の8月は7月に比べて炎上件数が大幅増加する結果になったようです。
ここ数年の炎上件数増加は、コロナ禍による社会的雰囲気の悪化が影響しているという分析もありましたが、残念ながらそういうことではないようです。
特に一般人の炎上件数が増加しているというのは、告発系アカウントの影響力が増し、一般人の問題行為の告発や拡散のサイクルが早くなっている可能性を示唆しています。
炎上対象が一般人であっても、その炎上行為の影響が企業に伝播するリスクもあります。
炎上を起こさないことよりも、炎上にどう対応するかの方が重要な時代になりそうです。
・抽出したデータは表1に基づき分類。
・問題行動の主体が「法人等」の場合、表2に基づき20の業界に分類。
・表2に該当しない業界に関しては「その他」としてデータを処理。
・各グラフにおける割合については、全て小数点以下第2位を四捨五入。
(表1)
参考:山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、 2016
・芸能人、政治家、アスリート、経営者である場合
・それ以外の職業の人物については、データ確認日時点でフォロワー(もしくはチャンネル登録者、読者登録者)数が100万人を超えている場合
(表2)
参考:業界動向サーチ「ジャンル別業界一覧」 https://gyokai-search.com/2nd-genre.htm
8月の炎上事案は188件でした。前月に比べ、68件増加しています。
炎上事案の原因となった問題行動の主体別の内訳では、「著名人」60件(31.9%)、「法人等」51件(27.1%)、「一般人」77件(41.0%)という結果でした。
また前年同月比では、炎上事案発生件数は80件増加しています。「著名人」が22件、「法人等」が15件、「一般人」が43件増加しました。
前月と比較し、8月の炎上事案発生率は「著名人」が1.1ポイント、「一般人」が14.3ポイント増加し、 「法人等」が15.4ポイント減少しました。
前年同月比では、「著名人」が3.3ポイント、「法人等」が6.2ポイント減少し、「一般人」が9.5ポイント増加しました。
炎上の原因となった問題行動188件のうち、171件(91.0%)が「不適切と判断される可能性のある発言・行為」に該当し、「反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)。法律に抵触する可能性のある行為」は17件(9.0%)と少数でした。
炎上の原因となった問題行動の内容としては「2-4」(その他、特定の層を不快にさせるような内容・発言・行為)に該当する炎上が51.1%と最も多く、次いで「2-3」(非常識な発言・行為、デリカシーのない内容・発言・行為)に該当する炎上が26.1%という結果となりました。
炎上内容の詳細を分析したところ、「問題発言」に関する炎上事案が74件、次いで「非常識な行動(モラルのなさ)」に関する炎上事案が47件でした。
問題行動の主体のうち、「法人等」に該当する炎上51件を業界ごとに分類しました。炎上事案が多かったのは「娯楽・レジャー」業界で、21件(41.2%)という結果でした。
問題行動の主体が「法人等」の場合について、上場企業か否か、また、それぞれの従業員数について分析しました。
上場区分に関して「上場企業」5社(13.2%)、「非上場企業」33社(86.8%)という結果でした。
なお「法人等」に該当する炎上事案は、日本国内に所在する企業の炎上事案のみを計測しています。
前年同月比では、「上場企業」の割合が1.1ポイント減少しました。
従業員数2,000人未満、売上高5000億円未満の企業規模で多く炎上事案が発生しました。
一方で従業員数1万人以上の企業であっても炎上事案が発生していることから、どのような従業員数や売上高であっても、炎上は発生する可能性があるといえます。
前年同月比では、企業の従業員数が1,000人以上の割合が26.7ポイント減少し、100人未満の割合が14.6ポイント増加しました。
■炎上事案分析データ2023年8月版のダウンロードはこちらから
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お問い合わせ名称:一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所
代表理事:佐々木 寿郎
アドバイザー:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
沼田知之(西村あさひ法律事務所所属弁護士)
設立日:2023年1月20日
関連会社:シエンプレ株式会社
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