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リアルな炎上事例に学ぶ 危機管理広報セミナーレポート

2023年4月10日

リアルな炎上事例に学ぶ 危機管理広報セミナーレポート

2023年2月21日、無料現地参加型セミナー「実際の炎上事例から学ぶ危機管理広報の裏側~炎上予防×広報×メディアの専門家が炎上『する会社』と『しにくい会社』の違いを教えます~」を開催しました。

本レポートでは、企業の炎上事例を基に炎上の防止策と適切な収束方法を考察した当日の様子を紹介します。

企業の広報担当者が参加したセミナーは炎上予防の専門家としてシエンプレの前薗利大と、元「週刊現代」記者で、日本で最も多くの社長を取材している経済ジャーナリストの夏目幸明氏、週刊誌で数々のスクープ報道に携わっている写真家の中村將一氏が講師を担当。

今回は、大手住宅メーカーの社長が新型コロナウイルスのワクチンをめぐり社内に事実上の“禁止令”を出していた事例を取り上げました。「接種したら無期限の自宅待機」と通達していたことを裏付ける内部資料などが週刊誌で報じられ、炎上を招いてしまったと前薗が紹介。

夏目氏は「週刊誌が企業のスキャンダルを扱う際は、ある程度のネタをストックしておくのが普通。当の企業が知らないところでネタが溜まっている可能性がある」と指摘しました。

また、最近はSNSで影響力を持つ暴露系インフルエンサーを通じた内部告発による炎上が頻発していることについて、中村氏は「リーク自体は今に始まったことではない。自社に不満を持っている社員のはけ口としてメディアが使われる構図は今も変わっていない」と述べました。

広報担当者にとって、自社の経営者がSNSなどで不適切な発信をしないようにするのは難しい現状も示しつつ、炎上対策の専門家を交えた経営者への助言やメディアとの良好な関係づくりの重要性を説明。

メディアとの良好な関係ができていない企業はネガティブな記事のターゲットになりやすいことを挙げ、記者の電話取材に対して広報担当者が安易に答えることのリスクも強調しました。

前薗は「SNSでは回転ずしチェーン大手の店舗で発生したような『客テロ』の事案が増えているが、実はバイトテロや従業員発の不祥事も起こっている。『自社はBtoC企業でないので大丈夫』ということは絶対にない。従業員が加害者側になってしまう可能性も否定できない」と指摘。

夏目氏も「いつ誰が炎上させるか分からないこの時代、どんな企業も炎上の可能性がある。しかも、様々な炎上が世の中を騒がしている昨今、企業は炎上にもっと関心を持ち予防や対策のための準備をするべきだ」と述べました。

最後の質疑応答では、参加者が「信教や思想の自由がある中、経営者が個人のSNSアカウントで反ワクチンのような主張を発信した場合、公人である以上はマスコミに取り上げられてしまうのか。あるいは、個人としての考えは取り上げられにくいのかを知りたい」と質問。

中村氏は「有名企業の経営者の場合は狙われやすいため、個人として尊重されることはないだろう。特に、世の中を騒がせているような話題ならマスコミの取り上げ方も厳しくなる」と回答しました。

セミナー終了後は軽食とドリンクを囲んで懇親会が開かれ、参加者は業種・業態の垣根を越えて積極的に情報を交換。講師とゲストの3人に熱心な質問をする参加者の列も途切れませんでした。

コロナ禍の最中は広報担当者同士の横のつながりも希薄になっていたことから、会場には久々の交流を楽しむ人たちの笑顔が広がりました。

参加者からのアンケートには、
「オフラインならではの話も多く、温度感が伝わりました」
「炎上についても流行りの傾向があること、メディア側の炎上の取り上げ方など、大変興味深いお話でした」
「炎上のリスクとトレンドを知ることができ、勉強になりました」
「具体事例もたっぷりでものすごく理解が深まりました」

など好意的な感想ばかりで、参加者からの満足度はかなり高く、現地開催だからこそ伝わる熱量を参加者に感じていただいたセミナーとなりました。

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