Case / Performance
導入事例・実績

「SNSのリスク検知と有事対応には専門家の助けがいる」大手旅行代理店が顧客満足低下を防いだ軌跡とは

活用ソリューション
Web/SNSモニタ…
「SNSのリスク検知と有事対応には専門家の助けがいる」大手旅行代理店が顧客満足低下を防いだ軌跡とは
業種
旅行代理店
エリア
日本全国
従業員数
1万名以上
利用サービス
Web/SNSモニタリング

SNSの投稿をリアルタイムでモニタリングすることで、ブランドへのポジティブ、ネガティブなフィードバックを早期発見、早期対応できることは、顧客対応力と顧客満足を追求する面からも不可欠な取り組みである。今回は、以前大手旅行代理店A社でデジタル戦略を主導していた福田晃仁氏(以下、福田氏)の声を、当時を振り返る形で紹介する。

「旅」という誰にとっても身近な商材を扱う企業だけあって、顧客にとっては親しみやすく、気軽に相談しやすい反面、ユーザー本位のSNSには、店頭や電話対応で不愉快に感じた顧客などから、心無いネガティブコメントが寄せられることも多い。大手旅行代理店でSNSチームを立ち上げた背景、SNSモニタリング分析の重要性について伺った。

一元管理や炎上危機管理への対応も後手だった

福田氏は大手旅行代理店A社のデジタル戦略を主導するチームに着任した当時をこう振り返る。「(SNS部門の)体制作りとその必要性を、組織に理解を得るのに時間がかかっていた。特に炎上対策はこれから、という状況だった」。

大きな障壁のひとつは、ジョブローテーションだ。社員が新しい部署で新たな仕事に取り組みはじめると一律に1、2年おきに人事異動がある。SNSチームを立ちあげるなど体制づくりの真っ最中だったが、ロールや配置の課題が持ち上がった。「ジョブローテが短期間だと育成期間でおわってしまう。他のユニット同様にSNSの担当も専門職としての人員配置が必要で、腰を据えて取り組む必要があると思います。最短でも4、5年のつもりで」。

企業がSNSで発信する際、通常はトーン&マナーを設計し、企業メッセージやキャンペーン告知などを同じ語り口によって発信するのが定石。「語り口に差異があると、受け取る側の印象や体験、ブランドメッセージ自体もブレる」と福田氏。小刻みなジョブローテーションは、ノウハウやスキルが貯まらず、SNSコミュニケーションの一貫性にも影響してくる。しかも上層部にはその時点で「SNSの必要性を損益ベースで説明する必要があった」と語る。

本社SNSチームを立ち上げて、以前から課題と感じていたことがより鮮明になった。本社とは別に、同時並行で各支店が独自のリソースでSNSに投稿していたのだ。現場にもそれぞれの事情があることは理解できたが、同じブランドを抱える本社と支店が足並みをそろえる必要性を感じた。さらに海外での事例を研究する中で、SNSの運用を危機管理部門が一元管理をして主導しているケースが数多くあることを知った。そこで福田氏の指揮のもと組成された総勢約50人のDSC(Data Science Central)という組織が管理を担うこととなったのだ。

DSCが現状を調査すると、SNSに飛び交う投稿は「〇〇支店の〇〇さんに神対応してもらった」といったポジティブなものが1ヶ月で約数百件あり、同時に日々ネガティブなものも多く書き込まれていることがわかった。しかもネガティブなものには、業務改善につながる提案や愚痴のレベルから、過激な言葉を使った誹謗中傷、脅迫に近いものまで様々ある。そのうち、年に2、3回は重大インシデントに相当する書き込みが発生する。「SNSはユーザーの思いが吐露されやすい。そこに企業はどんな『顔』で向き合い、接触し、対話していくのか。立ち位置を考える必要がありました。どのように発信するか、は注力していたものの、ユーザーの反応への対応という意味では、当時十分とは言えなかった」。シエンプレ導入前の課題について福田氏はそう振り返る。

SNSトラブル、対応緊急度の判定は非常に高いスキルが必要

福田氏とシエンプレの最初の接点は、2019年秋に鹿児島で開催されたビジネスカンファレンス「ブランドサミットOne to One in 鹿児島」だった。福田氏が参加した数々のセッションのなかで、シエンプレ代表取締役の佐々木寿郎が登壇、紹介した「炎上事例」とその対策、誹謗中傷対策、口コミ分析等ブランドリスク対策のセッションが当時の福田氏が抱えていた課題とマッチした。もともと社内のSNS投稿の危機管理が急務と考えていた福田氏が、シエンプレと最初の課題共有ミーティングをセッティングしたのはそのわずか数日後のことだった。

最初は投稿分析から始め、各支店の投稿内容とその反応の分析をまず精査した。そのころには各支店でもユーザーによる投稿の影響を軽視できない機運が醸成されつつあった。

福田氏は、シエンプレ導入後の最初のレポートで「気にしなければいけない投稿が3つありました」という報告があったことを記憶している。

「DSCの顧客分析チームとSNSチームがまずシエンプレさんの話を聞きました。その後、経営企画の人間などもどんどん加わりミーティングをするごとに、毎回毎回何かしら気づきがありました。そしてそれぞれを施策設計のエビデンスとしていきます。または注意事項に落とし込み、各支店へのフィードバックを行っていきました」と福田氏。
最も評価が高かったと感じたのは、ネガティブ投稿情報の判別・判定・判断だ。一般的なツールを使って投稿分析をすると、日々大量の投稿をモニタリングすることができる。しかしその中で、各投稿が注目すべきか否か、それはなぜか、を、一つ一つ判断することは、精度の面でも作業量の面でも難しい。「シエンプレ社のレポートは注目すべき点を明確にピックアップしてくれていた。緊急に対応すべきもののピックアップ判定は、経験と熟練が必要で、高いスキルが求められます」

投稿を精査していくと、SNSのユーザー同士が相談し合って解決してしまっている事例も散見された。例えばA社の特定商品を検討しているユーザーに対して、競合他社の近しい商品を推薦するようなケースだ。このようなやりとりは、A社にとっては売上の損失となる内容。「数多くの投稿の中からこれを見つけることも、その後どのような対応をすべきか判断することも、社員やアルバイトには不可能だったと思います」と福田氏は語る。
投稿内容、件数、解決法などは支店にもフィードバックされ、再発防止に生かされた。さらに、過激な言葉を使った脅迫、営業妨害など「年に2、3回ある重めのネガティブな投稿」への対処法についても「アドバイスが的確だった」と評価した。

ネガティブな投稿の中には電話や接客についての応対に言及しているものも多い。「その内容をカスタマーセンターにフィードバックを送って、実際に現場に出向いて調査、対応したんです。結果、業務フローの改善にもつながりました」
このような改善プロジェクトを推進することにも、シエンプレのレポートは役立ったという。

もしもシエンプレ社の協力を得ていなかったら顧客満足に影響があったと思う

「福田氏が在籍した旅行代理店と同じような課題で悩んでいる会社がいたら?」
最後に、福田氏にこんな質問をぶつけた。

「お勧めすると思います。シエンプレのサービスを導入していなければ、適切なインシデント対応はできていなかった。後手に回って、顧客満足度が低下していた可能性もあります。逆にシエンプレの助言、知見を活かした施策によって多くのトラブルを未然に防ぐことができていたと思います」と福田氏。

さらにこう続けた。「SNSメディアをどう活用するか、どう収益化していくか、というのは今までの事業の延長線上で、自分たちでできること。施策は事業者の中で作っていくべきものだと思うし、アウトソーシングに安易に流れないようにするのが私のポリシーでもあります。でも、有事対応は専門領域。ここは効率面でもぜひとも手伝ってもらいたいのです」

Contact
お問い合わせ

  • お電話での
    お問い合わせ

    内容の大小に問わず、
    お気軽にお尋ねください。※法人専用
    (受付時間 9:00 ~ 18:00 ※土日祝除く)

    03-3275-6646

    フォームでの
    お問い合わせ

    ご不明点やお悩みなど、お気軽にお問い合わせください。
    専任担当者からすぐに折り返しご連絡致します。

    お問い合わせ

    お役立ち資料

    サービス紹介、会社案内、研究報告等の豊富な資料を
    ダウンロードして頂けます。

    ダウンロード