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VOC(Voice of Customer)とは?顧客の声が企業成長の原動力となる戦略的活用術

VOC(Voice of Customer)とは?顧客の声が企業成長の原動力となる戦略的活用術

現代のビジネス環境において、企業成長の鍵を握るのは、顧客の心に深く響く製品やサービスの提供です。そして、その実現に不可欠なのが「顧客の声」、すなわちVOC(Voice of Customer)の戦略的な活用です。デジタル化が進み、SNSやレビューサイトを通じて誰もが情報を発信できるようになった今、顧客の声は企業の評判を瞬時に左右する強力な要素となりました。VOCを単なる意見として捉えるのではなく、企業成長の原動力としてどう活かし、その裏に潜むリスクにどう対応すべきか、本記事で詳しく解説します。

VOC(Voice of Customer)とは?その定義と多様な種類

VOCとは、企業が提供する製品やサービス、あるいは企業活動全般に対して顧客から寄せられる、あらゆる意見や反応の総称です。かつてはアンケートや問い合わせが主な収集源でしたが、インターネットの普及により、その収集源は多岐にわたるようになりました。

VOCは大きく以下の2種類に分けられます。

●直接的なフィードバック

  • コールセンターや問い合わせ窓口
    顧客が明確な意見や不満を持って直接連絡してくるため、質の高い本音が集まりやすい特徴があります。特に、ECサイトの普及でコミュニケーション機会が減る中、「生の声」としての価値が高まっています。
  • 営業担当者からのフィードバック
    顧客の課題やニーズを深く理解している営業担当者を通じて、率直な意見が寄せられることがあります。
  • アンケートやインタビュー
    目的や対象者を絞り、多角的な質問を通じて深掘りした情報を得られます。Webアンケートは手軽に多くの情報を集められ、インタビューは質の高い濃い情報を収集できます。

●間接的なフィードバック(オンライン上の声)

  • SNSやレビューサイト、ブログ
    顧客が自発的に投稿する率直な感想や評価が集まるため、客観的な評価や市場のリアルタイムな動向を把握する上で有効です。
  • サイレントクレーマー
    商品やサービスに不満があっても直接企業に伝えず、利用をやめてしまう顧客層を指します。彼らの不満は、企業に直接届くことはありません。その代わり、SNSやレビューサイトといった企業が気づきにくい場所でネガティブな意見を投稿する傾向があります。

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VOCを戦略的に活用するメリット

VOCは、単に顧客の不満を解消するためだけのものではありません。収集した情報を分析し、企業活動に活かすことで、以下のような多岐にわたるメリットをもたらします。

●商品やサービスの品質向上
顧客の真のニーズや改善点を把握することで、顧客視点に立った最適な改善策を打ち出し、本当に求められる製品・サービスを提供できます。

●顧客満足度の向上とLTV(顧客生涯価値)向上
顧客の意見を反映させることで、「顧客の声を大切にする企業」という信頼が深まります。これにより、既存顧客のリピート率が向上し、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化に繋がります。

●部門間連携の強化
VOCデータを共有し、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど各部門が連携することで、一貫性のある顧客対応が可能となり、組織全体の生産性向上にも寄与します。

●新規顧客獲得への貢献と広告宣伝費の削減
既存のファンが持つ「熱量」は、SNSを通じて周囲に自然と伝播し、新たな顧客獲得に繋がります。ファンが自社を宣伝してくれることで、広告宣伝費の削減にも効果を発揮します。

●SEO効果の獲得と訴求力の強化
顧客の検索キーワードやニーズをVOCから把握し、コンテンツマーケティングに活用することで、検索エンジンからの流入増加や、見込み客への訴求力向上が期待できます。

●AIを活用した顧客ニーズ予測
AIとプロンプトエンジニアリングを組み合わせることで、VOCから顧客の抱える課題やニーズを予測し、具体的な製品改善案やパーソナライズされたキャンペーン案を生成することも可能になります。

VOCの具体的な収集方法と効果的な活用のポイント

VOCを効果的に活用するためには、適切な収集と分析、そして継続的な改善サイクルが不可欠です。

主な収集方法

●チャットやメール
24時間365日いつでも意見を集められ、テキスト化されているため分析がしやすいですが、深掘りしにくい側面もあります。
●電話(コールセンター)
顧客の本音や感情(声のトーン、ニュアンス)を直接聞くことができ、質の高い情報を得られます。通話内容のテキスト化サービスを活用すれば分析も効率化できます。
●アンケート
紙やWeb形式で、目的や対象者に合わせて質問を設定できる柔軟性があります。ただし、回答者の負担にならないよう工夫が必要です。
●SNS
InstagramやXなどの投稿をモニタリングすることで、顧客の率直な感想やリアルタイムの市場動向を把握できます。ただし、真偽の確認には注意が必要です。
●インタビュー
グループまたは1対1で、多角的な質問により濃密な情報を得られますが、時間と手間がかかります。

収集のポイント

●目的の明確化と仮説設定
「何を知りたいのか」「何を達成したいのか」を明確にし、それに基づいて質問内容や収集方法を決定することが重要です。これにより、的外れな情報収集を避け、効率的に必要なVOCを集められます。
●十分な量の情報収集と複数のチャネル活用
偏った意見にならないよう、複数のチャネルから網羅的に情報収集することが大切です。アンケートの送信タイミングなど、顧客が回答しやすい状況を見極めることも重要なポイントです。

活用のポイント

●管理体制の整備とツール活用
収集したVOCを適切に管理・分析し、次のアクションに繋げる環境を構築します。VOC分析ツールやテキストマイニングツール、AIが搭載されたコールセンターシステムなどを活用することで、大量のデータを効率的に分析し、部門間の情報共有も強化できます。感情分析(センチメント分析)により、顧客の感情の傾向を把握することも重要です。
●分析結果の施策への反映とPDCAサイクル
VOCはただ集めるだけでなく、具体的な施策に落とし込むことが不可欠です。施策を実行したら、その効果を測定し、改善を繰り返すPDCAサイクルを回すことで、継続的にサービスの向上に繋げることができます。

VOCがデジタルリスクに転じる側面と企業が取るべき対策

VOCは企業の成長に不可欠である一方で、その声がネガティブな形で拡散されると、デジタルリスク」や「炎上」という形で企業に深刻なダメージをもたらす可能性があります。情報の真偽にかかわらず批判が殺到・拡散することで、企業ブランドや信頼の著しい毀損、売上減少、採用活動の停滞、株価の下落、さらには法的措置や行政処分にまで発展しかねません。

炎上の火種となる具体例

●不適切な口コミや誹謗中傷
Googleマップの理不尽な悪い口コミやSNS上の誹謗中傷は、第三者の印象を悪化させ、売上や採用活動に影響を及ぼします。
●真摯さを欠いた謝罪
「ご不快構文」「誤解構文」など、責任転嫁と捉えられかねない謝罪は、二次炎上を招く致命傷となります。
●内部告発やリーク
従業員による不適切行為や社内問題の告発がSNSや週刊誌で拡散されると、企業イメージに甚大な影響を与えます。
バイトテロ客テロ
アルバイトや顧客による不適切な行為(食品への異物混入、迷惑行為など)の動画投稿は、企業の衛生管理や倫理観への批判に繋がり、刑事・民事の法的責任に問われる可能性もあります。
●不適切発言・表現
公式SNSや広告、従業員の発言が、ジェンダー、差別、上から目線など、社会通念に反すると受け取られると、炎上を引き起こします。AI生成コンテンツの著作権侵害や偏見助長リスクも新たな炎上トレンドです。
●情報管理の不備
公式アカウントと私用アカウントの誤爆や、私用端末からの不適切な投稿は、企業の信頼を損ねる要因となります。

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このような複雑なデジタルリスクに対し、企業は平時からの予防策と有事の際の迅速かつ適切な対応体制を構築することが不可欠です。

企業が取るべき対策

1. 平時からの予防策
  • 倫理基準の明確化と従業員教育の徹底
    組織内で従うべき倫理観を明確にし、全従業員に周知徹底します。SNSの適切な利用法や職場での不適切な行為のリスクについて、「自分の人生に損害・影響が出る」という「自分ごと」として理解させる研修が重要です。
  • 危機管理マニュアルの策定と実践
    炎上発生時に現場が混乱しないよう、明確な指揮系統、対応フロー、事実確認、原因究明、世論分析の手順を定めたマニュアルを準備します。
  • SNS運用ガイドラインの策定
    公式SNS運用に関するルールや、従業員のプライベートSNS利用に関する指針を明確にすることで、誤投稿や不適切な発信を防ぎます。
  • Web/SNSモニタリングと早期発見
    炎上の火種を早期に検知するため、自社に関するSNS投稿やネット上の書き込みを24時間体制で監視・収集します。専門のツールや有人監視を組み合わせることで、小さなリスクも見逃しません。
  • コンテンツの棚卸しとリスクチェック
    過去のSNS投稿や発表物なども含め、ネット上で閲覧可能な自社コンテンツを定期的に見直し、最新の法令や社会規範に照らして問題のある表現がないかチェックします。
2. 有事の対応
  • 迅速かつ誠実な情報開示と謝罪
    問題発生時は、事実を正確に把握し、「ご不快構文」や「誤解構文」を避け、何に対して謝罪しているのか、具体的な改善策や再発防止策を明確に示すことが信頼回復に繋がります。事実の隠蔽や放置は炎上を拡大させます。
  • 第三者視点の導入と専門家への相談
    社内だけで問題解決を図ると客観性が失われ、対応を誤る可能性があります。デジタルリスク対策のノウハウを持つ専門会社のサポートを頼ることで、的確な判断と迅速な対応が可能になります。
  • 法的措置の検討と毅然とした態度
    悪質な誹謗中傷や不適切行為に対しては、毅然とした態度で法的措置を検討することが世論に肯定的に受け入れられる傾向にあります。従業員への誹謗中傷に対しては、企業が強い姿勢で保護を明言することも求められます。
  • 企業ブランドと信頼を守る:シエンプレのデジタルリスク対策

    このような複雑なデジタル・クライシス対策において、シエンプレは貴社を強力にサポートいたします。シエンプレは、国内ナンバーワンの取引実績と信頼性、豊富なノウハウを持つ専門家として、予期せぬトラブルから企業を守り、持続的な成長を支援します。

    シエンプレが提供する主なサービスは以下の通りです。

    危機対応支援サービス
    不祥事やトラブル発生時、ネット上の口コミやニュース記事などの論調を詳細に収集・分析し、想定されるリスクを診断します。炎上時は、提携会社と連携した緊急コールセンターの開設や、記者会見のセッティング・運営、メディアを納得させるプレスリリース作成など、事後対応を総合的に支援します。事態が落ち着くまでの間も、ネット上の投稿やメディアの論調を継続的にモニタリングし、変化を報告します。

    ソーシャルメディアリスク研修
    経営幹部から従業員まで、あらゆる階層のリテラシーを高め、SNSの適切な利用法、危機管理対応のポイントなどを詳しく説明し、炎上リスクを大幅に低減させます。

    ●リスク管理文書作成支援
    企業としてのSNS利用に関する「指針・目的・ルール」などを明確にする文書(ガイドライン、ポリシー、利用規約、従業員向け規定、炎上対応マニュアル)の策定をサポートし、不要なトラブルや情報発信のリスクを回避します。

    Web/SNSモニタリング
    炎上の予兆を早期に検知するために、自社に関するSNS投稿やネット上の書き込みを24時間体制で監視・収集します。専門家による有人監視とシステムを組み合わせることで、小さなリスクも見逃しません。検索エンジンで表示される関連キーワードもチェックし、不適切な語句の速やかな沈静化を図ります。

    オーナー返信
    Googleマップの悪い口コミは売上や採用活動に悪影響を及ぼします。放置せず、オーナーが丁寧に返信することが重要です。ネガティブな内容の投稿であっても、丁寧な対応を行うことで企業イメージを向上させる大きなチャンスです。感情的になったり、喧嘩腰になったりせず、常に第三者が見ていることを意識して返信するサポートを行います。

    口コミ・評判に対する公式見解メディア「kai」
    転職サイトなどで投稿される企業の口コミ(VOCの一種)の多くが事実と異なるか、既に改善済みの内容であるという課題に対応するプラットフォームです。企業が口コミに対して公式見解を表明できる場を提供し、採用活動への悪影響を抑制し、企業イメージを回復させる効果が期待できます。


    「いつ、どのようなことが炎上の引き金となるか、一般の方には予測しにくいのがデジタル・クライシス」です。シエンプレは、コミュニケーションを担う方々が安全に、そして安心して情報を発受信できる社会の実現のため、価値あるコンテンツやメニューを充実させています。

    SNS運用やデジタルリスクマネジメントに関するご不安がございましたら、ぜひ一度、シエンプレにご相談ください。

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