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起用タレント・インフルエンサーの炎上に備える|起用前の確認事項

起用タレント・インフルエンサーの炎上に備える|起用前の確認事項

執筆者プロフィール

シエンプレ株式会社 チーフリスクコンサルタント

デジタルリスク対策の最前線で、企業の炎上・風評被害・内部不正に関する数百件の案件の沈静化と体制構築を指揮。発生直後の緊急対応から中長期的なレピュテーション回復まで、実務に基づいた実践的なコンサルティングを提供しています。


広告やSNSのキャンペーンに、タレントやインフルエンサーを起用する企業の動きが変化しています。起用した人物が炎上した場合、その批判は起用した企業にも向かいます。「なぜこの人を選んだのか」「問題を知っていたのではないか」と問われるためです。

本記事では、起用前に確認しておくべき観点と、契約期間中の確認、有事への備えについて解説します。

なぜ起用した人物の炎上が企業に波及するのか

起用した人物の炎上が企業に波及する背景には、次のような構造があります。

  • 「企業の選択」として受け取られる:起用は企業の意思決定であり、人物の言動と企業の価値観が結び付けられる
  • 広告が拡散の起点になる:批判の対象となった人物の広告やPR投稿が、批判の材料として再び拡散される
  • 判断の遅れが二次批判を招く:起用を続けるか中止するかの判断が遅れると、企業の姿勢そのものが問われる

近年報じられる傾向として、人物の過去の発信が掘り起こされ、起用の発表直後に批判が集まるケースも見られます。

起用前に確認すべき5つの観点

観点確認の主な内容
過去の発信公開されているSNS投稿や動画に、差別的な表現や過度に攻撃的な言動がないか
報道・評判過去の報道の内容や、SNS上での評判・批判の傾向
広告表記の運用PR投稿で、広告であることを適切に表記しているか
ブランドとの整合人物の発信テーマや支持層が、自社のブランドや商材と矛盾しないか
他社案件との関係同じ時期に、競合する企業の案件を担当していないか

確認は、公開されている情報の範囲で行うことが前提です。本人のプライバシーに踏み込む調査は、それ自体が新たな批判を招きかねません。

広告表記については『ステマで企業が炎上した事例を解説!消費者意識に細心の注意を』で解説しています。広告表現そのもののリスクは、『広告の炎上を防ぐには?クリエイティブリスク診断の重要性を解説』もあわせてご参照ください。

確認は「起用時の1回」で終わらせない

起用前の確認で問題がなくても、契約期間中に新たな発信や報道が生じることがあります。確認は、起用の段階に応じて続けることが重要です。

  • 起用を決める前:過去の発信や報道の内容を確認する
  • 契約期間中:新たな発信や、人物に関連する話題を定期的に確認する
  • 契約の終了後:広告素材の掲載終了を管理する。終了後も素材が残り続けると、後から批判の対象になることがある

契約と有事への備え

  1. 契約条項の確認:問題が生じた場合の起用中止や、広告素材の差し替えに関する取り決めを確認する。具体的な条項の内容は、法務部門や弁護士に確認しておく。
  2. 判断基準の事前整理:どのような事態で起用を見直すか、社内で判断の目安を決めておく。
  3. 発信方針の準備:起用を続ける場合と中止する場合のそれぞれについて、公式見解を出すかどうかと、その文案を想定しておく。

万が一炎上に発展した場合の初動は、『ネット炎上の初動対応「24時間の壁」を越える方法』で解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 起用前の確認は、自社だけで行えますか?

A. 公開情報の確認は、自社でも可能です。ただし、投稿数が多い人物や、発信の期間が長い人物の場合、確認の範囲と精度に限界があります。見落としを防ぐには、第三者の視点を入れることも有効です。

Q. 起用した人物が炎上した場合、すぐに起用を中止すべきですか?

A. 事実関係や批判の内容によって、判断は異なります。拙速な中止の判断が、別の批判を招くこともあります。事実確認を優先し、事前に整理した判断基準に沿って検討することが重要です。

Q. インフルエンサーのPR投稿で、企業が注意すべき点は何ですか?

A. 広告であることを示す表記が適切に行われているかを、企業側も確認する必要があります。表記の要否や方法の詳細は、消費者庁の公表資料をご確認の上、必要に応じて弁護士にご相談ください。


タレントやインフルエンサーの起用は、企業の発信力を高める一方で、人物のリスクを企業が引き受けることでもあります。起用前の確認と有事の備えを、キャンペーンの企画段階から組み込むことが求められます。シエンプレでは、起用を予定している人物の公開情報をもとにしたリスクの確認を支援しております。

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