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2024年下半期のバイトテロ振り返りーどうすれば被害を防げる?ー

公開日:2025.02.14 最終更新日:2025.02.20

はじめに

飲食店などで毎年のように繰り返されているバイトテロ。残念ながら2024年下半期も後を絶つことはなく、手口の大胆さや悪質さがエスカレートする傾向も見られます。この記事では、2024年下半期に発生した主なバイトテロ事案を振り返り、適切な防止策や事後対応について解説します。

2024年上半期のバイトテロ振り返り -最新事情と対策を徹底解説-

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バイトテロとは?

飲食店や小売店の従業員が、勤務先の食材や什器などの設備を使った不衛生な悪ふざけを行ってSNS上で炎上するパターンが多く、これらの事象が発生した企業・店舗は社会的な信用やイメージが損なわれます。

被害に遭った企業・店舗は、商品の廃棄や回収、返金、店内・設備の消毒などの損害が生じる可能性があります。フランチャイズ店舗であれば、契約解除や閉店、本部からの損害賠償請求が発生するかもしれません。

バイトテロの発生から一定期間が経過した後も、「不衛生な店」「従業員のモラルが低い」といったネガティブなイメージを払拭できず、集客や売上の低迷に苦しむケースも見られます。

バイトテロは企業・店舗の存続すら脅かす卑劣な行為であることから、暴力的な手段を表す「テロ」という言葉が用いられています。

2024年下半期のバイトテロ事案

2024年下半期に発生した主なバイトテロ事案は、以下の通りです。

■コンビニ従業員が洗ったモップをホットスナックケースで乾かす

発生場所:コンビニチェーン・ファミリーマートの店舗

事象内容:外国人従業員が、洗ったモップをホットスナックケースに入れて乾かしている画像の投稿が拡散され、非難が殺到しました。本件をめぐっては、ファミリーマートに対して「外国人労働者を雇うべきではない」という批判も寄せられています。

■ピザチェーン店の配達員がバイクで歩道走行

発生場所:宅配ピザチェーン・ピザーラの店舗付近の公道

事象内容:ピザーラの店舗配達員が、店舗付近の歩道をバイクで走行するドライブレコーダー映像がSNS上で拡散されました。ピザーラに関しては2024年2月にもバイクの配達員が公道上を蛇行運転する動画がSNS上で拡散され、危険運転が問題視されていました。

■ホームセンターの従業員が商品を放り投げて陳列

発生場所:ホームセンター・カインズの店舗

事象内容:カインズの店舗で、従業員がもう1人の従業員に商品のトイレットペーパーを放り投げて売り場に並べる不適切な作業の動画がSNS上で拡散しました。カインズ広報部によると、動画は2023年11月に撮影されたもので、過去のコンテンツが再掲されて炎上したケースであることがわかっています。

■弁当工場で揚げ物をつまみ食い

発生場所:仙台市内の弁当工場

事象内容:弁当工場で中国人とみられる従業員がマスクを下ろし、素手で揚げ物をつまみ食いするなどの様子が撮影された動画がXで取り上げられ、拡散しました。動画では中国語と日本語のナレーションが流れ、中国語で「薬品を入れてやろうか」というコメントなどが含まれていました。弁当工場の場所については所在する市に情報が寄せられ、当局の立ち入り検査によって特定されています。

もはや「悪ふざけ」では済まされない

バイトテロを起こした従業員は、刑法第233条の偽計業務妨害罪や、刑法第261条の器物損壊罪などに問われる可能性があります。これらの罪が確定すれば、犯罪者となることは言うまでもありません。

民事上でも、民法第709条の不法行為責任、民法第415条の債務不履行責任を追及する法的措置を取られることが考えられます。

バイトテロが度重なる状況に、世間の怒りは増しています。マスメディアでも重大な社会問題として取り上げられることがあり、企業側に対しても厳正な対処を求める声が強まっています。

このため、バイトテロを起こした従業員を解雇したとしても、それだけで世間に納得してもらえるとは限りません。不適切な行為の内容次第では、刑事・民事双方の責任を追及する必要に迫られます。

しかし、法的責任を問われることになった従業員は、その後の人生において取り返しのつかないペナルティを受けることにもなりかねません。自社・自店の従業員から犯罪者を出すことは、企業側にとっても本意ではないでしょう。

そうであれば、従業員に対して社内教育・研修を継続的に実施し、一人ひとりの意識改革を図る必要があります。そのような取り組みを推進することは、企業・店舗に対する消費者の安心感と信頼の醸成にも繋がります。

バイトテロを防ぐ3つの備え

●SNS研修

バイトテロ防止に向けた意識改革を図る上で有効なのが、SNS研修です。ただし、単に「バイトテロはだめ」と伝えるだけでは、時間の経過とともに効果が薄くなる可能性があります。

そこで重要になるのは、バイトテロ事件を起こした人が、どんなに悲惨な末路をたどったかを定期的に伝えることです。より具体的なイメージをしやすい内容を説明することで、自分事として捉えてもらう研修が必要になります。

バイトテロを起こせば、多額の損害賠償金を求められて提訴されるリスクが生じます。また、インターネット上で本人の名前や住所、学校名などの個人情報が晒されてしまうと、将来の就職や結婚にも悪影響が及ぶことにもなります。

ネット上にアップされた情報は、世界中に発信したのと同じです。そのため、これらの情報は半永久的に残り続けてしまうという認識を持たせることも重要です。

SNS教育では就業規則やSNS利用ガイドラインなどで企業側の基本姿勢を明示し、それらを遵守するという誓約書の提出を求めることも有効です。

●危機管理マニュアルの策定

バイトテロが万一発生したときに備えては、迅速かつ適切な対応を取れる体制をあらかじめ構築しておくことも必要です。

入社時の研修や職場へのスマートフォンの持ち込み禁止といった対策を講じていた企業でさえ、バイトテロの被害に遭ってしまったケースも存在します。どれだけ防止に努めていたとしても、絶対に発生しないと言いきれないのがバイトテロです。

企業側としては責任者を明確にし、有事の際に現場が混乱して勝手な対応を取るといったことがないようにしておくことが重要です。

●ネットの定点観測

バイトテロによる炎上が起きた場合は、どれだけ早く気付けるかが被害抑制のカギとなります。そのため、24時間体制でネット上をモニタリングする体制を構築しておくことが望ましいでしょう。

もちろん、自社・自店だけで、そのような体制を整えるのは困難かもしれません。しかし、最新の炎上トレンドを把握し、リスクシナリオを描ける外部の専門会社に委託すれば、バイトテロを発端とした炎上の予防・管理体制を強化することが可能となります。

バイトテロが発生した際の適切な対応

バイトテロが発生した場合は、事実関係を徹底的に調査し、できるだけ迅速かつ正確に公表しなければなりません。

その上で、消費者に対する真摯な謝罪と当事者の処分、具体的な再発防止策を示せば、炎上被害を最小限に抑えることができるはずです。

また、同業他社でバイトテロ事案が起こったときは、「原因」「再発防止策」「被害者がいる場合の補償内容」を調査し、自社でトラブルがあった際に活かせるようにしておくことをおすすめします。

2025年下半期バイトテロのまとめ

バイトテロの防止に向けて最も重要なのは、従業員一人ひとりのSNSリテラシーを高めることです。

シエンプレが提供しているeラーニングの「従業員向けSNS利用研修」は、SNSで情報を発信する際の注意点をわかりやすく解説します。個別の企業の状況に応じた最適な研修プログラムを活用し、SNS運用マニュアルの策定・改訂に役立てることも可能です。

また、SNSに投稿されたバイトテロの映像・画像が拡散され、炎上しないよう、24時間体制でネット上を監視するWeb/SNSモニタリングのサービスも提供しています。

企業経営の根幹をも揺るがしかねないバイトテロ防止策の強化をお考えの場合は、信頼できる専門会社の協力を仰ぐことを検討してみてください。



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