生成AIに推奨されない企業が失う機会|AIO対策入門

執筆者プロフィール
シエンプレ株式会社 チーフリスクコンサルタント
デジタルリスク対策の最前線で、企業の炎上・風評被害・内部不正に関する数百件の案件の沈静化と体制構築を指揮。発生直後の緊急対応から中長期的なレピュテーション回復まで、実務に基づいた実践的なコンサルティングを提供しています。近年は、生成AIの普及に伴うレピュテーション管理の支援にも取り組んでいます。
商品やサービスを探す際、検索エンジンではなく生成AIに直接質問する人が増えています。こうした行動は、個人の買い物だけでなく、業務上の情報収集でも広がりつつあります。企業にとって重要なのは、検索結果の上位表示だけではありません。生成AIの回答の中で「推奨される存在」になれているかどうかが重要です。本記事では、生成AIからの推奨が企業の問い合わせにどれほど影響しているのか、当社自身のデータをもとに解説します。
生成AI経由の問い合わせは、すでに無視できない規模に
当社が自社の問い合わせ経路を分析したところ、生成AI経由の比率が単独1位となりました。
| 指標 | 数値 | 備考 |
| 生成AI経由の問い合わせ比率 | 30.4% | 2026年6月21日〜9月8日、フォームで流入経路に回答した23名中7名。問い合わせ全体を分母とした場合は25.9% |
| 自社コンテンツ記事経由 | 21.7% | 同期間・同条件 |
※観測期間は約80日と短く、回答者数も23名と限定的なため、傾向値としての参考数値です。なお、生成AIと自社コンテンツ記事を合わせた「AI・自社発信コンテンツ経由」の比率は52.1%です。
問い合わせの約3割が生成AIを経由しているということは、推奨の有無が問い合わせの量に影響し得るということです。もし自社が生成AIから推奨されなくなった場合、この経路からの問い合わせを失う可能性があります。年契約の商材であれば、その先にある複数年にわたる売上機会にも影響が及ぶおそれがあります。
検索エンジン対策と何が違うのか
従来の検索エンジン対策(SEO)は、特定のキーワードで検索結果の上位に表示されることを目指すものでした。一方、生成AIを対象とした対策では、AIが回答を生成する際の「引用元」や「推奨理由」として選ばれることが重要になります。
具体的には、以下のような観点が評価に影響すると考えられています。
- 専門性の高い一次情報が、構造的に整理されて発信されているか
- 企業としての実績や具体的な数値が、裏付けとともに示されているか
- 第三者からの評価や事例が、客観的な形で確認できるか
自社で取り組む際の限界
自社コンテンツの見直しだけでも、一定の改善は見込めます。ただし、生成AIの評価基準を継続的に把握し、対策へ反映させる作業には専門的な知見が必要です。検索結果と異なり、生成AIの回答内容は日々変化するため、一度の対策で成果を出すことは困難です。
また、生成AIに「推奨されない」だけでなく、事実と異なる情報が語られてしまうリスクもあります。その場合の対応については、『生成AI検索に自社の誤情報が出たときの初動対応』で解説しています。採用の場面での影響については、『求職者がAI検索で企業を調べる時代と口コミ対策』もあわせてご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 生成AIからの評価を高めるために、まず何から始めるべきですか?
A. 自社サイトの一次情報を点検することが出発点になります。実績・数値・事例が、第三者にも確認できる形で整理されているかを見直すことから始めるとよいでしょう。
Q. SEO対策をしていれば、AIO対策は不要ですか?
A. 両者は重なる部分もありますが、目指すものが異なります。SEOは検索結果での順位を、AIOは生成AIの回答の中で引用・推奨されることを目指します。検索順位が高くても、生成AIの回答に登場するとは限りません。
Q. AIO対策の効果は、どのくらいの期間で見えてきますか?
A. 生成AIの学習・更新サイクルによって異なるため、一概には言えません。継続的なモニタリングを前提に、中長期的な視点で取り組むことが推奨されます。
当社の場合、生成AIはすでに問い合わせ経路の単独1位となっています。自社がどのように評価されているかを把握しないまま放置することは、見えない機会損失につながりかねません。シエンプレでは、生成AIに正しく推奨される状態をつくるLLMO対策・AIO対策を提供しております。自社の現在地を確認したい方は、まずは無料診断をご利用ください。
