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注目事例から読み解く世論の動向とは(デジタル・クライシス白書-2025年7月度-)【第136回ウェビナーレポート】

注目事例から読み解く世論の動向とは(デジタル・クライシス白書-2025年7月度-)【第136回ウェビナーレポート】

※2025年7月30日時点の情報です

フジテレビへのCM出稿再開表明が物議

桑江:最初のテーマは「メディア・スポンサー関連」です。フジテレビへのCM出稿を停止していたサントリーと大和ハウス工業が、7月からの出稿再開を発表し、議論を呼んでいます。

6月25日のフジ・メディア・ホールディングス株主総会を受けた判断で、サントリーは「フジテレビの再生・改革プランに一定の評価をしており、株主総会で新体制も承認された」と説明。大和ハウス工業も、過去に出稿していた木曜午後10時枠のドラマなどから順次再開するとしています。

これらの発表に対し、SNS上では「軽率な企業」「人権侵害を容認する企業」といった批判が相次ぎました。

また、6月23日にフジテレビ社員がオンラインカジノで賭博行為をおこなって逮捕されたことを受け、「逮捕者が出た企業にCMを出稿しようと思えますね」との声も上がりました。

前薗:トヨタ自動車も、フジテレビの一部番組でCM出稿を再開するという報道がありました。CM出稿停止の動きは、次のフェーズに移ってきたと思います。

1〜2月に再開を発表した企業をめぐってはSNS上で数万件もの言及がありましたが、サントリーと大和ハウス工業に関しては1,000件にも満たない状況です。世間の関心は、かなり低下していると感じます。

台湾を「中国」と表記し批判

桑江:続いて、「不適切・不用意な発言や投稿」です。大手コンビニ事業会社Aが、公式Xで台湾を「中国(台湾)」と表記し、批判が殺到しました。

この投稿がSNS上で拡散されると、「台湾は中国ではない」「中国の領土だと思わせる投稿は許せない」「台湾を中国の領土とみなしているのか」といった意見が相次ぎました。同社は、公式X上で「投稿は配慮に欠けるものであった」と認めたうえで謝罪文を掲載し、該当の投稿を削除しています。

前薗:中国本土ではXの利用が厳しく制限されているため、どちらかと言うと日本国内や欧米諸国に向けてどう見せるかを考える必要があったかと思います。しかし、いずれにしても批判の声が上がりやすいトピックであることは間違いないため、企画段階でブレーキをかけておくべきだったのではないでしょうか。

有休を取らせたくない?会社社長の問いかけに批判

桑江:大阪府の電気工事会社クレヨンの社長が自身のXで、有給休暇の消化に関する投稿をおこない、その内容に批判が殺到しました。

社長が「有休を年間20日、使おうとする人についてどう思いますか?」という質問を投げかけたところ、リプライ欄には「そのような質問をする人のもとでは働きたくない」「普通ですよね。何も問題ありません」「社員が見ていると思うので、有休を使わせにくい雰囲気を出すための発言ですかね」など否定的な意見が相次ぎました。

これに対し、社長は「自社ではなく業界全体に対する問題提起」と投稿の目的を説明しましたが、「それを改善するのが経営者や上層部の責務ではないのか」といった厳しい意見が寄せられました。

前薗:「社長」というものを、世間がどう見ているかをしっかり押さえておかなければならないということでしょう。「経営者は社員に有休を取らせたくないと思っている」と考えている人が、たくさんいるということかと思います。

「食事は最大20分以内でお願い」の投稿に賛否両論

桑江:東京都内のラーメン二郎府中店が、公式Xに「お食事は最大20分以内でお願い申し上げます」と投稿し、物議を醸しました。

公式Xでは「最近、極端にゆっくり食べている方が増えており、ロットが乱れるなど、店舗としても困っております」との投稿がありました。食券機にも「お食事は20分以内でお願い申し上げます」と書かれた貼り紙が掲示されました。

この投稿がSNS上で拡散されると、「上から目線すぎる」「わざわざXで言う必要があるのか」「20分では食べられない人もいるのでは」といった意見が上がった一方、「20分は優しい方で基本は15分以内だ」「これに文句を言う人は二郎のお客さんではない」といった声も寄せられました。

騒動を受け、同店は公式Xで「お客様、二郎関係者、多方面にご迷惑と不快感をもたらせてしまい、大変申し訳ありませんでした。深く反省しております」と謝罪しています。

前薗:ラーメン二郎のビジネスモデルでは、回転率をどれだけ上げられるかが大切だと思いますが、「そんなことをなぜ上から言われなければならないのか」という不快感を持たれてしまったことで物議を醸したと思います。SNSでは店の実情を知らないユーザーからの反発も予想されるため、アナウンスには注意が必要です。

国民民主・玉木代表をX上で侮辱、謝罪する事態に

桑江:地域政党・再生の道のすなみ薫氏が、国民民主党の玉木雄一郎代表に対して侮辱するような発言をおこなったことが問題となり、謝罪に至りました。

すなみ氏は、玉木代表のX投稿に反応して「なにいっとんねん!」「調子に乗るな!お前!ええ加減にしろや!」などと投稿し、行き過ぎた発言はSNS上で「これはダメ」「品位に欠ける」など多くの非難を招きました。

批判を受け、すなみ氏は翌日に謝罪し、投稿を削除したことをXで報告しています。また、玉木氏に対 する謝罪投稿もおこない、再生の道の石丸伸二代表は、すなみ氏に対して厳重注意を行ったことをXにて報告し、謝罪しました。

前薗:当該投稿がなされたタイミングでは、すなみ氏のアカウント名に政党名も入っていました。第三者から見れば所属する党の名前とともに行われた言動で、その自覚が足りなかったということがすべてです。

政治に絡むと自己主張をしたくなるSNSユーザーも多い中、これまで企業アカウントでの誤爆も多数発生しています。企業としては、選挙前後は注意が必要と言えます。

厨房で喫煙する従業員の動画が拡散

桑江:次は「不適切・不誠実な対応」です。大手牛丼チェーン吉野家店舗の厨房で、従業員が喫煙する様子を撮影した動画がインターネット上で拡散されました。

動画の撮影店舗は明らかになっていませんが、拡散された動画は約1ヶ月前のものとされ、店員は厨房の奥でたばこを吸っていたといいます。

ネット上では「さすがに厨房内はダメ」「営業取り消しレベル」などと厳しい声が上がる一方、「たばこくらいで騒ぐな」「別にいいんじゃない?」と擁護する意見もありました。

同社は、厨房奥にある従業員スペースで従業員が喫煙していた事実があったことを認め、当該従業員は社内規程および基準に基づき厳正に対処したとコメントしました。また、原則として屋内の従業員スペースは禁煙となっていることを明らかにし、「全従業員に対し改めて喫煙ルールの徹底を周知する」としています。

前薗:自分たちが問題行為を働き、その動画などをネット上に出しているならわかりやすいのですが、知らないうちに第三者によって録画・録音されたものがネット上に出回ってしまうリスクもあります。

今回は厨房内で喫煙した従業員に非がありますが、通常業務の範疇で生じたトラブルがネット上に上がることも考えられます。企業としては、そうした場合に従業員をどう守るのかも考えておかなければ、大きな問題に発展する可能性があります。

コンビニ、映画館でバイトテロ

桑江:続いては「バイトテロ」です。ファミリーマートのアルバイトが、自身が勤務している様子をTikTokでライブ配信し、炎上しました。ライブ配信では、バックヤードのさまざまな書類も映り込んでいました。

また、横浜市内にある109シネマズ港北のアルバイトの不適切行為もSNS上で拡散されました。映画館のバックヤードとみられる場所で撮影された動画では、若い男性がポップコーンの入った袋に顔を埋め、そのまま食べて「おいしい」とピースサインをする様子が収められていました。

前薗:アルバイトを雇用する業態は人の入れ替わりが激しく、常に新しい人が入ってきます。そうした人たちのSNSリスクに対するリテラシーをどう上げていくかが課題です。研修があっても年1回だけなら、入社1年未満のアルバイトは十分な教育を受けないまま働くことになり、バイトテロの問題を防ぎ切れないということになります。

スキマバイトでいらっしゃる人を含め、企業としては今一度、アルバイトのリテラシーをどのように引き上げていくのかを考えなければならないと思います。

利用客へのスタッフ対応動画がX上に流出

桑江:そして「客テロ」です。広島市内のココス白島店で、利用客が食事をしている最中に天井からゴキブリが落下する事態が発生し、その対応にあたった本社スタッフの動画がXに投稿されて物議を醸しました。

利用客が撮影した動画には、店舗に駆け付けて対応した本社スタッフの姿が映っていました。

利用客が、このスタッフの名前を呼びながら「逃げるんですね。この動画をネットに流しますよ」と問い詰めたところ、スタッフは「申し訳ございません。明日ご連絡を差し上げます」と説明しながら立ち去りました。

SNS上では、同店の運営会社に対する批判的な意見が上がりましたが、「動画を撮影して晒すのは問題ではないか」「こういった行為は営業妨害だ」と、投稿者を非難する意見も見受けられました。

前薗:お客さんとのトラブルが動画などに記録され、ネット上で晒されてしまう事態は後を絶ちません。企業には、仮に晒されたとしても受ける指摘を最小限に抑えられるような立ち回りが求められます。

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