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炎上事例/デジタル・クライシス事例レポート

「裸の王様」に学ぶSNS「炎上」対策
企業が取るべきリスクマネジメントは?

2020年5月8日

「裸の王様」に学ぶSNS「炎上」対策企業が取るべきリスクマネジメントは?

「だけど、なにも着てやしないじゃないの!」

デンマークの童話作家、アンデルセンの代表作として知られるのが「裸の王様」です。

見えるはずのない新しい衣装を身にまとって大通りをパレードしている王様を目にした子どもが沿道から叫んだのが、冒頭に記した言葉でした。
それを聞いた群衆からはざわめきが起こり、彼らもやがて「なにも着ていらっしゃらない!」と叫び出しました。

この童話には、現代にも通じるさまざまな教訓が込められています。

そのひとつは「権力のある者に対して『間違っている』と言うことは難しい」というもの。

新しい服ばかりを好んだ王様がパレードで披露したのは「ばか者には見えない布地」で織られたという、まやかしの衣装でした。
ところが、側近の大臣たちは自分がばか者と思われるのを恐れ、王様に忠告することができなかったのです。

もちろん、自分が裸だと気付いていながらパレードに繰り出した王様の振る舞いにも問題があります。大臣たちも王様も、パレードの前に自らの愚かさを認めて正すべきでした。

「王様は裸だ」という声 SNSならどこからでも

さて、19世紀に書かれたこの物語には、さまざまな教訓が内包されています。それらの教訓はいつの時代にも通用しますが、とりわけ現代社会にこそ必要なものと言えるかもしれません。

その理由のひとつに挙げられるのは、あらゆる情報が短時間のうちにどこまでも拡散され、共有されるSNSの存在です。

SNSを介せば、「王様は裸だ」などという声は、「炎上」という形でいとも簡単に顕在化するでしょう。つまり、裸で歩く王様を目にした人だけから「裸だ」と指をさされるだけでは済まないというわけです。

SNSなどインターネット上では「見えない布」の存在を信じた愚かさはもちろん、新しい服を浪費し続ける王様、それを黙認する大臣たちへの糾弾も次々と上がるはずです。

これから紹介する事例も「裸の王様」の教訓を思い起こさせますが、やはり「炎上」から逃れることはできませんでした。
早速、詳しい経過を振り返ってみましょう。

Twitter上に批判殺到も「疑惑は事実無根」

全国紙のニュースサイトに目を疑うようなスクープ記事がアップされたのは、2020年3月4日夜のことでした。

「大手服飾社長が社員にセクハラ」。
衝撃的な見出しの記事は、幾多のレディースブランドブランドなどを展開する大手企業社長のI氏が複数の女性社員らにセクハラ行為を働き、2018年12月に開かれた社内の臨時査問会で厳重注意を受けていたという内容でした。

I氏が男女共同参画社会の形成を促す政府会議の議員であることも報じたこのニュースに素早く反応したのは、Twitterのユーザーでした。
I氏のセクハラ行為だけでなく、I氏を厳重注意だけにとどめた臨時査問会への批判も殺到し、瞬く間に「炎上」したのです。

記事掲載の翌日、この会社の広報部は公式サイトで声明を発表します。

しかし、そこに書かれていたのは「セクハラの事実は認められず、処分もありませんでした」と、疑惑自体を一蹴するものでした。

公式サイトでは同日、I氏自身もコメントします。
誤解を招く行為や社員との距離の取り方などについて臨時査問会で厳重注意を受けたことは認めたものの、「セクハラの事実は認められませんでした」と「事実無根」を主張したのです。

さらなる「炎上」を誘発、会社全体が批判の的に

騒動を抑え込もうとした声明がTwitter上でさらなる「炎上」を引き起こし、さらに多くのWebニュースで取り上げられることになったのは、まさに皮肉としか言いようがありません。

I氏は結局、政府会議を所轄する省庁に議員を辞任する考えを伝え、3月6日に開かれた自社の臨時取締役会でも「自身に関わる一連の報道」を理由に社長辞任を申し出て了承されました。

テレビ番組でも疑惑が報道された3月6日のTwitter投稿は、ピークの7,000件余りに到達します。
さらに、疑惑に関連したツイート、リツイートの合計も1万件を超えました。

Twitter投稿数推移

翌日以降の投稿数は減少に転じましたが、3月7日には大手まとめサイトが立ち上がり、その後の3日間で16,690viewを数えたのです。

このように、会社にとってネガティブな情報が拡散された場合、どんな対応を取るのが望ましいのでしょうか。
善後策を誤ればさらに激しい批判を浴び、「炎上」の火に油を注ぐことにもなってしまいかねません。

今回の事例を見ると、I氏は急成長を遂げた巨大アパレル会社の創業者として、以前から雑誌やメディアでたびたび取り上げられていました。
2018年にはベストドレッサー賞も受賞しています。

世間の注目度の高い著名人であればなおさら、批判に対する慎重な対応が求められたはずです。疑惑を否定する前に原因となった行動を真摯に反省し、具体的な再発防止策も示す必要があったでしょう。

ところが、実際の対応はそうではありませんでした。
臨時査問会は「裸の王様」の大臣たちのような甘い対応で、会社、I氏自身も疑惑の否定に終始したのです。会社ぐるみで問題から目をそらすかのような姿勢が「炎上」を拡大させる形となりました。

多くの人に悪印象を持たれた結果、I氏ばかりでなく、経営陣やブランドを含めた会社全体が批判の的になってしまったことは否めません。

さらに、同社は「事業拡大に向けた複数のM&A(企業の合併・買収)を最優先する」との理由で東証への上場延期を繰り返していました。
今回の件でさらなる上場延期の可能性も予測され、一連の対応は会社の将来にも暗い影を落としたと言わざるを得ません。

また、ひとつの問題が発覚すれば、過去のスキャンダルまで掘り起こされるのもネット社会の常です。
今回の騒動でも、この会社で2009年に新入社員の女性が「過労自殺」していたことが改めて報じられました。

Web監視などで 「炎上」 リスクを最小限に

セクハラやパワハラといったハラスメント事案をはじめ、コンプライアンスに違反した企業に向けられる世の中の目は厳しさを増すばかりです。

従業員研修などを通じ、コンプライアンス違反を防ぐ取り組みを進めている企業は多いかもしれません。しかし、万一の事態への備えを完璧に整えている企業は、どれくらいあるでしょうか。
大切に守り、育ててきたブランド価値などを一瞬のうちに焼き尽くしかねない「炎上」を最小限に食い止めるためのリスクマネジメントが欠かせません。

国内初のデジタル・クライシス対策カンパニーとして、約6,000社を超える豊富な実績と独自のノウハウを持つシエンプレ。24時間のWeb監視により「炎上」の発生を迅速に感知、早期の段階で企業に注意を促します。

さらに、「炎上」の状況下で企業が取るべき対応を規模、段階ごとに提案します。業界トップレベルの誹謗中傷・風評被害対策サービスも提供し、ネット上のブランディングの最適化を図ります。

原因が多様化し、何がきっかけでいつ巻き込まれるか分からない「炎上」。効果的なリスクマネジメント体制の構築をお考えなら、まずは弊社にご相談ください。

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