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炎上事例/デジタル・クライシス事例レポート

デジタル・クライシスに発展!
コンビニの「24時間営業問題」から企業は何を学ぶべきか

2019年12月20日

デジタル・クライシスに発展!コンビニの「24時間営業問題」から企業は何を学ぶべきか

1974年5月、東京都江東区豊洲に日本で初めてのコンビニエンスストアがオープンしました。木造2階建ての店舗兼住宅の酒屋を改装した店で、営業時間は午前7時からでした。

午後11時で閉店していたコンビニが国内で24時間営業を開始したのは翌1975年6月、福島県郡山市でのこと。他社もこれに追随し、1980年代前半には大半のコンビニが24時間営業に切り替わりました。

終夜営業が定着した要因には、都市部を中心とした人口増とライフスタイルの変化が挙げられます。日本経済が成長するにつれ、消費や経済活動が行われる時間も拡大する一方でした。
深夜も活動するようになった若者らにとって、冷蔵庫代わりに使える24時間営業のコンビニは、この上なく便利な社会インフラとして受け入れられたのです。

加盟店が終夜営業を取り止め 批判は本部に集中

24時間営業のコンビニ誕生から45年近くがたった2019年2月1日、東大阪市にある大手コンビニSのフランチャイズチェーン(FC)加盟店が、それまでの「常識」を覆す行動に出ました。
24時間営業を独断で取り止め、午前6時から翌朝午前1時までの19時間営業に切り替えたのです。

2012年にS本部とFC契約を交わしたこの店。スタッフとして働いていたオーナーの妻が2015年に亡くなったこともあり、人手不足が慢性化していたといいます。
思うようにアルバイトを確保できない中、昼夜を問わず店に立ち続けたオーナーの負担は限界に達し、時短営業に踏み切ったというわけです。

しかし、コンビニの「生命線」とも言える24時間営業の放棄を、S本部は見過ごせませんでした。
本部は時短営業を契約違反と判断し、24時間営業に戻さない場合には、FC契約を解除し、違約金を求めると伝えたようです。

当然ながら、24時間営業はFC契約の条件です。そうであるなら、違約金の請求も法的には問題はありません。
オーナーと本部、両者に事情がある以上、24時間営業問題はどちらかが一方的に糾弾されるべき問題ではありませんでした。
しかし、世論はそのような反応を見せませんでした。S本部にとって、極めて厳しい論調に傾いたのです。

2019年2月19日、時短営業のニュースが法律ポータルサイトの弁護士ドットコムで報じられると、この問題は全国的な注目を集めます。
インターネット上ではさまざまな関連記事が公開されるとともに、S本部に対する批判的な投稿が目立つようになりました。その数はすさまじく、Twitter投稿は1時間当たり1,000件超と爆発的に増えました。

弁護士ドットコムで報じられた前後のツイート数

※自社調べ

2月27日には、コンビニFCの全国約200店でつくる労働組合のコンビニ加盟店ユニオンが記者会見を開き、人手不足で24時間営業の継続が難しくなっている実情を訴えます。

ネット記事の大半もS本部を批判する内容で占められ、「S本部=悪」「オーナー=被害者」という構図が出来上がってしまいました。

関連投稿、ネガティブ投稿の推移

※自社調べ

事実、この問題に関しては1日に2万5,000件の投稿が行われ、S本部を批判する記事は擁護記事の18倍に上りました。

批判記事:219記事、擁護記事:12記事

※自社調べ

しかし、ここで1つの疑問が浮かびます。
合理的な理由の存する判断を行ったS本部はなぜ、これほどまでの批判を浴びることになってしまったのでしょうか?

見解や主張をアピールしなかった本部の対応

まず挙げられるのは、オーナー側のコンビニ加盟店ユニオンが記者会見を開いた一方で、
昨今、ブラック企業(低賃金や長時間労働の強要)に対して厳しくなっているにも関わらず、S本部は見解の表明すらしなかったことです。

ユニオンは時短営業を認めないS本部に団体交渉を申し入れましたが、S本部は「加盟店オーナーとは労使関係にない」と拒否。取り付く島もない対応も、世論の反感を増幅させました。

さらに、この問題を受けて公開された関連記事に、S本部の社長が24時間営業について言及した過去のインタビュー記事が引用されたのもマイナスでした。
社長が語ったのは「Sとして、24時間営業は絶対的に続けるべきと考えています」「社内で見直しを議論したことはありませんし、加盟店からもそんな声は全く出ていないですね」といったものでしたが、インタビューが行われたのは2017年秋のことです。
つまり、24時間営業問題が起こる前の発言が問題発覚後の記事に引用されたことで世論の誤認識を招き、「現在も対策を行う気がない」と受け止められてしまったのです。

批判を浴びたS本部が動きを見せたのは2019年3月1日のことでした。全国10の直営店で時短営業(午前7時~午後11時)の実験を始めると発表したのです。3月5日には全国紙の記事で、この実験にフランチャイズチェーンの加盟店を加えることも報じられました。

デジタル・クライシスが社長交代にまで発展

しかし、この後もS本部には逆風が吹き続けます。
3月26日、経済産業省がコンビニ大手4社に対し、加盟店の問題を是正するための行動計画策定を求める方針であることが分かりました。

公正取引委員会も腰を上げます。コンビニ店主が24時間営業の見直しを求め、本部がこれを一方的に拒んで店主に不利益が生じた場合、独占禁止法を適用する方向で検討していることが報じられました。

結局、時短営業の騒動はS本部の社長交代という事態にまで発展します。記者会見に応じた役員は、現場のトラブル報告などが経営陣までスムーズに上がる体制が構築されていなかった点を認め、S本部への批判はさらに強まることになりました。

S本部は、世論で起こる問題(デジタル・クライシス)への対策が不十分だったと言えます。時短営業を把握したタイミングで実態調査をしていれば、デジタル・クライシスを回避できた可能性があります。

つまり、慢性的な人手不足で24時間営業を続けるだけの働き手を確保するのは容易ではないということ、人口減と高齢化が進む中で24時間営業へのニーズは必ずしも高くないということを認識していれば、この認識に即した対応を取り、デジタル・クライシスを回避することができたかもしれないのです。

正しい情報を発信する姿勢も大切

世論に受け身になるだけではなく、問題の本質について正しい情報を発信する姿勢も欠かせません。

東大阪市の加盟店が時短営業に踏み切った理由は、人手不足によるオーナーの過重労働でした。しかし、この店にとって、人手不足を解決する手段は24時間営業を止めるしかなかったのでしょうか?

同じ東大阪市にあるSの加盟店関係者から「バイトの体調不良や、突然の退職によりオーナーが出勤しなければならないことがあるが、人はすぐに採用できるため辛い時期が常態化することはない」「あそこの店舗は珍しいケースだと思う。他に聞いたことはない。今の店舗ではあのオーナーのような状況になっていない」と、人材マネジメントに対する疑問が寄せられたのです。(※自社調べ)「実は過重労働を避ける他に取りうる容易な策がある」ということが認識されていたならば、本件についての世の受けとめられ方も違ったでしょう。

一事が万事の視点だけで、24時間営業を否定するのは短絡的です。
もちろん、人材確保の効率化や長時間労働の防止を進める上で改善すべき点があるのであれば、これを認める必要はありますが、憶測による誤った批判を避けるために、問題の根源がどこかを適切に導く情報発信が必要です。

デジタル・クライシス、炎上の種をいち早く察知

デジタル・クライシスを防ぐ上では、ネット上のニュースやブログ、口コミといったメディアを監視し、「炎上」の種となる書き込みをいち早く察知する体制が有効です。

S本部の事例でも、加盟店が24時間営業を止めた時点で事実をいち早く確認し、経営陣を含む社内共有を経て迅速に対応を決めておく必要がありました。

さらに、弁護士ドットコムへの記事掲載、あるいは「炎上」の発覚時には、違約金に関する正しい情報や24時間営業の見直しに柔軟に対応する姿勢などをアピールするべきでした。
「炎上」後、時短営業実験の告知リリースまでのタイムラグもなくし、告知に合わせて今回の問題に対する自社の主張もしっかり発表するのが望ましかったでしょう。

ソーシャルリスニングで世論を味方に

デジタル・クライシスを避けるため、どのタイミングで、どんな対応を取るべきか。
そうした判断は難しく思えますが、世論を継続してモニタリングする手法、ソーシャルリスニングを取り入れることで確実性が増します。
世論を味方につけるため、デジタル上の論調の移り変わりを読み解きながら、反論すべき部分を含めて必要な情報を適宜発信するのです。

S本部の社長が交代に追い込まれたように、デジタル上の投稿が経営にも大きなインパクトを与える時代になっています。経営者は自社の問題がデジタル・クライシスに発展しないよう、予兆を常に調査・監視しなければなりません。

デジタル・クライシスから貴社を守る備えを検討する場合は、業界ナンバーワンのシエンプレにご相談ください。

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